先日亡くなられた梅棹先生がどこかで書かれていた。京都学派は読みやすい文章を書くと。どこからどこまでが京都学派かよく知らないけれど、きっと今西先生の書くものも読みやすいのだろうと思い読み始めた。確かに文章自体は読みやすく書かれているが、内容がすんなり理解できるかどうかは別問題。ずいぶん前に「ダーウィン論」を読んだはずなのだけれど全く覚えていない。ダーウィンの進化論に異を唱えていることだけは確か。生物の進化はそのときが来れば変化するのであって、強いから生き残る、つまり自然淘汰ということはないと主張されている。では、どういうときにいっせいに変化するのか。そのあたりがはっきりしない。また、種個体、種社会、生物全体社会という3つの構造が、具体的に何を指しているのかイメージできないままだった。別の著書もしっかり読むべきなのだろう。後半のエッセイで、山についての記述がある。70歳をすぎて精力的に山を登り続ける姿には感嘆をおぼえる。そして、今西先生が数多の生物や山登りを通して得られた自然観には共感をおぼえる。古本の中からたまたま見つけてきて読みました。
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カテゴリ:
自然人類学
- 感想投稿日 : 2014年12月10日
- 本棚登録日 : 2014年12月10日
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