「雪国」を読んだ後は川端はもういいかと思ったのだけれど、リサイクル市でもらってきたのが本棚にあったのでちょっと手を出してみた。今度は妖しげな二人の関係にすぐに引き込まれた。舞踊についての記述もなかなかおもしろい。ニジンスキイの話題も興味がわく。もちろん、もっとも気になったのは矢木と波子-夫妻-の関係。・・・その夜、波子は夫をこばんだ。・・・「さわらないでください。」・・・「この女(妻のこと)は、しっとを知らずに来たろう。」「知ってますわ。」「だれに、しっとをしたの。」今は、竹原(不倫相手)の妻にしっとしているとも、波子は言えないが、「しっとをしない女は、ありませんわ。見えないものにだって、女はしっとしますわ。」だれに感情移入すべきか。矢木に同情する気にはなれないが、竹原は今後の行動しだいというところか。しかし胸がきゅうと痛む。
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カテゴリ:
川端康成
- 感想投稿日 : 2014年9月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月24日
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