性器の進化論――生殖器が語る愛のかたち(DOJIN選書029) (DOJIN選書 29)

著者 :
  • 化学同人 (2010年1月30日発売)
3.60
  • (1)
  • (4)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 55
感想 : 12

興奮して勃起するのはペニスやクリトリス、乳首はもちろんのことながら、乳房、小陰唇さらに鼻の中の粘膜まで膨らむのだそうだ。そのため、鼻息が荒くなったり、マンガなどでよくあるように興奮して鼻血を出す男子がいたりする、ということらしい。ペニスの形、精子の形など、生物によって大きく異なる。ヒトのペニスの亀頭冠の切れ込みは、先に送り込まれていた別のオスの精子をかき出すためにあるのだとか。動物によっては別のオスの精子をブロックするために、メスの膣内で精液が固まるものもいるらしい。ウサギの精子は卵管の中を粘液の流れに乗って卵にまでたどり着く。たくさん死ぬからたくさん産む。それに対し、ヒトの精子は粘液の流れに逆らって上っていく。そこに淘汰圧がかかっている。強い子孫を残すための策らしい。クリトリスの形もいろいろで、たとえばケナガクモザルでは5cmほどの長さがあり、ペニスよりも大きいらしい。尿道が通っているものもあれば、ヒトのようにそうでないものもある。なぜそんなに多様化したのかは謎のようだ。「精子戦争」の話など過去に読んだ話題もあったが、まだまだ知らないこと、分からないことはいっぱいである。なかなか、おおっぴらに研究できないところがつらいところかもしれない。ふだん、本を購入するときはカバーも袋もいりません、と言っているが、本書購入時はちゃんとカバーを付けてもらった。夜寝る前に少しずつ読みました。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 自然人類学
感想投稿日 : 2015年1月28日
本棚登録日 : 2015年1月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする