夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす

  • 講談社 (2024年3月28日発売)
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三日間の講義録を編集したものなんだけど、これはかなり面白い。著者の本というと高校生のとき、だからもう20年も前に勉強方法についての本を読んでいてそれが結構記憶に残っている。その著者がこんな本を書いているというのがなんかすごいことに思うし、それを自分が読んで感動しているのもすごいことだなと。
最近の脳科学の知見というのももちろん知ることができたし、個人的に1番面白く感じたのは生命の目的が宇宙の老化を促進することだという仮説。生物体は負エントロピーを食べて生きている、環境から秩序を引き出すことにより維持されている。これはエントロピー増大の法則に反するが、たとえば排水口に生まれる渦なんかは非平衡開放系で生命と同じで、結果的にはいち早くエントロピーを増大させる。表紙が渦に考える人物があしらわれているのもそこからなんだろな。
他にもこの世界がポストヒューマンのシミュレーションである可能性が高いとする説を紹介していたり、脳科学に留まらずいろんな分野の研究を踏まえてどう生きるかを考えさせてくれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 数学・自然科学
感想投稿日 : 2025年3月6日
読了日 : 2025年3月6日
本棚登録日 : 2025年3月6日

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