言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム

  • 新潮社 (2022年11月24日発売)
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感想 : 20
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 タイトルから少し重たい本かな?と思い、ついつい積読をしていたのだが、読み始めると止まらず一気に読んでしまった。言語という文化への視野が増えたように思える。
 単語の意味を覚えたり理解するのではなく、如何にチャンク(かたまり)で前後と共に覚え、互いの背景、フィールドを理解してコミュニケーションをするのか。単語の意味に囚われていた私にとって、考え方を180度変えてくれた。
 AIの大規模言語モデルも、AIに一つ一つの単語の意味を教え込むのではなく、その文脈の確率を覚えさせているのだと言う。例えば「空」という単語の前に付く形容詞は「青い」が多く、「黄色い」が少ないように。そうやって、文脈の単語間の組み合わせの確率を覚えていき、あたかも意思があるような自然な文章を生成する。この不安定さが言語であるのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年7月26日
読了日 : 2024年7月26日
本棚登録日 : 2024年6月27日

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