ネバーランド (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2003年5月20日発売)
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本棚登録 : 14735
感想 : 1436
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初めてこの作品を読んだとき彼らと同じ高校生で、ドラマも見てたし、寮生活っていいなぁと憧れてました。
四人が揃いも揃ってトラウマを抱えていて、それがわりにえげつない。これぞ青春!という感じはしないですが、大人にはない子供独特の不安定さを描ききっていて、どんなに大人びた言動をしようが彼らは高校生なんだなぁと思わされました。まさにネバーランドですね。
現代の高校生はコミュニケーションツールが多様だけど、作品中の時代の中ではスマホはおろかケータイやパソコンも出てこない。全て直の会話によってコミュニケーションがとられていて、それぞれの目の届かないところで、言い方は悪いけど“抜け駆け”されることはほとんどない。みんな平等にお友達。それが閉鎖的な空間で行われる告白ゲームに静かな凄みを感じさせます。恩田作品にはかかせない、まるで百物語でもしているかのような雰囲気でした。美国がわりとしょっちゅう怯えてますが、気持ちは分からなくもない。
あと、なんとなくこの4人は高校を出たらバラバラになって何年も会わなくなって、それでも同窓会とかで顔を合わせたら月日の流れなんてまるでなかったかのように高校時代に戻れるんじゃないかなと思いました。やっぱり読み終わると、寮生活っていいなと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行作家
感想投稿日 : 2018年9月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年8月27日

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