思想としての仏教入門

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  • トランスビュー (2006年6月3日発売)
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2015.8.6仏教に関する入門書。その成り立ち、思想、宗派など、仏教というひとつの思想、宗教の枠の中にある様々な概念や、その仏教と他の宗教との関係性、仏教と社会との関係性などを広く紹介している。仏教の根本には、覚りや空など、初期の仏教では無記と言われ言葉では説明できないというものがあり、故に仏教は様々な解釈を展開しながら複雑化、多様化している。本質が曖昧だからこそ、その周辺にはいろんなものを作ってくっつけることができるわけであり、本質が曖昧だからこそ、常に批判的に、よりよきものを求める。絶対の教義がないのが仏教なので、あらゆる主張が繰り広げられる。そしてそれらに対し常に批判的な思考が求められ、そのような仏教の構造的な背景によって今に至る多様で複雑な仏教が生まれたと解釈する。個人的には、私の人生に対する実践的な概念や思想が知りたかったので、特に四法印、即ち諸法無我:すべての存在には絶対の本質などなくあらゆるものは様々な要素による関係によって作られている、諸行無常:あらゆるものが様々な関係のうちに構成されている以上、要素が変われば関係が変わるわけで、よってすべてのものは変わりゆく、一切皆苦:この世は苦しみに満ちていて、生老病死など、生きることはすべて苦しみである、それはこの無常によるもので、あらゆるものは変わっていくから、永遠などないから、にも関わらず執着してしまうから、涅槃寂静:その執着を取り払うことで、幸福に至り、悟りの境地に至る、という考えは、参考にできる。一切は関係性であり、無我つまり空であり、故に無常、変化であり、それは即ち常に現実と理想のギャップが生まれるということであり、それによる欲望が我々を苦しめる、よってこの変化そのものを受け入れる、常に理想と現実はギャップが生まれるんだということを受け入れることで、安定した状態になれる、のだと思う。諸法無我、故に諸行無常、囚われて一切皆苦、受け入れて涅槃寂静だろう。前書きにもあったが限られた紙面での仏教紹介なため、内容はやや詰め込み感がある。が、仏教についての概要を広く知れる良い入門書であると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年8月6日
読了日 : 2015年8月6日
本棚登録日 : 2015年8月6日

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