有川浩、初のエッセイ集。
過去から現在に至るまで、各所で発表されたエッセイを
ジャンル別にまとめたもの。ラストの1本及び各エッセイ
の文末コメントが書き下ろし。
エッセイというのは非常に厄介なジャンル。好きな小説家
の書くエッセイはお気に入りになっても良さそうなモノだ
が、残念ながら全てに当てはまるワケでは無い。この作品
はその典型で、単体ではかなりグッと来る文章もあるには
あるのだが、まとめられると少々ハナに付く。
おそらく、ここ最近の有川作品に少しばかり納得いかない
感があったので、先入観的なモノが邪魔してるんだろうな
ぁ、とか思っていたのだが・・・。
同時掲載されていた未収録作品「彼の本棚」と、久々に
積読することになった「ゆず、香る」が殊の外良かった。
「本棚」では短編内で巧妙に計算された甘酸っぱさでニヤ
ニヤ出来たし、「ゆず」の醸し出す清涼感は最初に
「ホッと文庫」で読んだ時と全く変わらない。この2本で
充分に元は取った気がする。
考えてみれば、僕の恋愛小説に対するアレルギー・・・とい
うか、小っ恥ずかしさを、見事に抜いてくれたのは有川浩
その人。出来ることなら、本棚みたいな作品をもっと読み
たいのだが・・・。
文中で本人が「あまり望むな!」と言ってるので、ちょっ
と恐縮しちゃうのだが、出来れば「小説」を年2本くらい
読みたいです!>有川センセ。
・・・ファンはそろそろ禁断症状出ちゃうぞ、マジで。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2016年2月8日
- 読了日 : 2016年2月7日
- 本棚登録日 : 2016年2月8日
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