新・イヤミスの女王こと真梨幸子の新作。
以前はこの分野に居た筈の作家たちが軒並み別の分野にシフトしたり、
パワーダウンしたりしている中、真梨幸子だけはイヤミスの王道を現在
も驀進中。独壇場の気配。
モチーフは間違い無く木嶋某の首都圏連続不審死事件、そして上田某の
鳥取連続不審死事件。どちらも結婚詐欺の絡んだ陰惨な事件であり、
共通点として「犯人の見た目がかなりアレ」。正に真梨幸子のために
あるような素材と言える。
この2つの素材を、またもや絶妙な料理に仕上げる女王。
素材が素材なだけに、高級料理に化ける事は無いのだが、無理に言うの
であれば手を出さずにいられないゲテモノ料理といった趣。このへんの
テクニックはさすが。
「告白」以来、様々な作家の様々なイヤミスを読んできたが、ここまで
徹底された作品は初めてかも。いかんせん、登場人物に善人の類は皆無
であり、皆が皆腹に一物持っているクソババアだらけ。いやもう真骨頂。
拍手を送りたいほど。
そのため、読後感はやっぱり「最悪」。
しかし、女王に取ってはしてやったりの結果で、最悪こそが最高の
褒め言葉なのだろう。久々に気合いの入ったイヤミスを堪能。ちょっと
元気さえ出てきました(^^;)・・・。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2014年12月26日
- 読了日 : 2014年12月26日
- 本棚登録日 : 2014年12月26日
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