君の膵臓をたべたい

3.86
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本棚登録 : 8538
レビュー : 1266
著者 :
takumirexさん ヒューマン   読み終わった 

さる確実に信頼出来る筋からの推薦図書。
帯の文言で印象的だったのは「泣ける」という表現だったのだが、
果たして・・・。

正直言うと、前段の段階ではかなりどうかと思った。
(これより先・ちょっとネタバレ注意)

僕は、「人が死ぬ」という事象を前提にした物語があまり好きでは
無い。最初にソレを突きつける、という描き方はあまりに卑怯な気
がするし、何がどうあっても悲しい話で終わることは間違い無い。
そういう話に思い入れを持て、というのはちょっと無理がある。し
かし、「死ぬはずだった誰かが結局生き残る」という安易すぎる
手法はもっと好きじゃ無い。そういう展開も充分に考えられるが故
に、コレは好きになれないタイプの作品だな、と高をくくっていた。
・・・中盤を過ぎるまでは。

たかだか男女高校生の話の筈なのに、二人は凄い勢いで成長してい
く。これはいろんな条件が折り重なった上でのことであり、普通な
らあり得ない話なのだが、仮に自分がこのような立場に置かれた
場合は、きっと成長せざるを得ない状況となる筈。そうやって読み
進めて行くと、物語に一切の無理が無くなり、かなり上質な切なさ
が残る。本を読んでこんな気持ちになったのは、本当に何年振りか
解らない。

結果だけをストレートに書くと、この作品ではやっぱり人は死ぬ。
ただ、その死に方には完全に虚を突かれた。こういう展開の仕方が
あるとは、夢にも思わなかった。

そして、この作品の中には僕にとって理想の愛があった。
それがどこの部分なのかは敢えて書かないが、おかげで自分より
30歳近く年下な男女の物語のラストは、ただただ号泣するより他無
かった。少し悔しいくらいに。

住野よるはどうやらこの作品がデビュー作の模様。
物語の作り込み方も、シニカルでキャッチーなキャラの付け方も、
そしてタイトルの付け方さえもが並の新人のレベルを完全に凌駕し
ている。だからこそ、次回作に期待。この作品が最高傑作にならな
いことを、本当に願っている。良作です。掛け値無しに。

レビュー投稿日
2015年12月7日
読了日
2015年12月6日
本棚登録日
2015年12月7日
7
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