1973年のピンボール (講談社文庫)

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本棚登録 : 10096
レビュー : 720
著者 :
takuwokunさん  未設定  読み終わった 

この本を読む前は必ず「風の歌を聴け」を読み、この本の後は必ず「羊を巡る冒険」を読んできた。だから何度もこの本を読んでいるのに、印象が薄かった。
そして10数年ぶりに読んで、やっとこの本の面白さが分かった気がする。この本にはその後の村上春樹作品をかたち作るするすべの要素が凝縮して収められている。二つの世界が同時並行で進む構成、無駄な位冗長な日常生活と風景の描写、そしてそこから感じられる風景、匂い、空気感、そして主人公の思い。自分探しのモラトリアムをずっと続けているだけの甘ったれに見えるのかもしれない。でも、やっぱり本当にやりたいことも見つけれず、今いる自分の立ち位置が世間的に認められているものなのに、酷く居心地が悪い。そして出て行ってしまう。突然欲しい物、やりたいことが見つかると行動してしまう。こんな価値観もひょっとしたらもう時代遅れなのかもしれない。
ひょっとすると、この作品は村上春樹の最高傑作なのかもしれない。

レビュー投稿日
2013年5月30日
読了日
2013年5月30日
本棚登録日
2011年7月3日
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