AIの遺電子 1 (少年チャンピオン・コミックス)

著者 :
  • 秋田書店 (2016年4月8日発売)
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本棚登録 : 356
感想 : 21
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ヒューマノイドを専門にする医師、須藤はモッガディートを名乗る闇医師でもある。須藤のもとには表・裏問わず、様々な問題解決の依頼がやってくる。

前々から気にしていた「AIの遺伝子」、やっと読みました。考えさせられるエピソードが多くておもしろかったです。舞台は人間と人格を持ったAIを搭載したヒューマノイドが共生する近未来社会。思考も肉体もほとんど人間と変わらないヒューマノイドと、人間を比較することで、人格や知性、人間というものの本質とは何かということに迫る(少年マンガとしては)意欲的な作品です。SFですがハードではなく、使われる用語や概念も難しいものは避けている印象があって、とても読みやすく、テーマも明快です。
手塚治虫のブラックジャックは医療と生命をテーマに切り込む、やはり少年マンガとしては異色の作品でしたが、このマンガは知性や人格をテーマに、同じ様に切り込んでいて、ブラックジャックを上手に再構成しているなあ、と感心しました。こういう医療ものは少年チャンピオンのお家芸なのか。

高度なAI社会とヒトとそっくりなヒューマノイドをソフト・ハードともに実現した社会で、それでは人間とは一体何なのか、という問い(というか思考実験)はとても興味深いものがあります。そうしたことを題材にしたSF作品も多いですが、このマンガは無理な結論を出さずに十分な余白を持って読者に問いかけるところが共感を持てました。ただ、少年マンガということもあって中途半端で終わってしまう話も多かった印象でした。複数話をつなげてもう少し深く掘り込むエピソードがあってもよかったように思います。このマンガは続編や前日譚も発表されているので、続けて楽しみたいところです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月12日
読了日 : 2023年8月12日
本棚登録日 : 2023年8月12日

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