ニューヨーク。知人とルームシェアで過ごし小説家を目指す青年。日々執筆を試みるが一文字たりとも書き始めることができない葛藤をよそに、ニューヨーク生活は華々しく楽しく、クラブ通い、日々入れ替わる女性とのまぐわいに明け暮れた。
知人は法学部で日々退屈な学生生活を送るさながら、主人公が語るきらびやかなエピソードを切々と聞いていた。筆が進まない主人公の葛藤を、知人へ語る少しの優越で穴埋めしていた。
ある日、知人は主人公に告白する。
小説を書いた、と。
つまらない日々を送っている嘲りの対象が、見下していた対象が、まさか自身の夢である小説を書ききったと。隠しきれない焦燥と嫉妬。しかもその内容は主人公自身の華々しいニューヨーク生活が題材ではないか。
憤りむなしく、知人は偶然の事故で亡くなる。
さて、手にした知人の小説を手にした主人公。劣等感から這い上がる人生が描かれる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年5月7日
- 読了日 : 2018年5月7日
- 本棚登録日 : 2018年5月7日
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