江戸城の御膳所で料理人を務める、ぽっちゃり系鮎川惣介の新シリーズ第二弾。
鮎川家は、惣介と妻の志織、長女・鈴菜、長男・小一郎のほか、将軍家斉から内密にお預かりしている英吉利人・末沢主水(すえさわ もんど)、主水に料理を教えるために鮎川家に身を寄せている、ふみ、その息子の伝吉と、なかなかに賑やかな大所帯となった。
第一話 半夏水(はんげすい)
梅雨の集中豪雨で浸水被害の対応に追われる中、家斉から預かっているイギリス人水夫の主水が行方不明になった。
人の心が闇に堕ちる理由はさまざまあれど、上に立つ人間が気付いてやれないのも、今回に限ったことではない。
シングルマザーのふみさんがかなりのしっかり者で好感。
第二話 大奥 願掛けの松
大奥の事件に関わって何度もロクでもない目に遭っている惣介は、隼人の話を聞きたくない。
江戸時代の幕府に仕える「お役目」は世襲制である。良いのか悪いのか・・・
年長者の支えも大切だが、本人が多少痛い目にあって学んで行く中でしか、本当の成長はないのかもしれない。
第三話 鈴菜恋病(こいやまい)
文政六年、麻疹(はしか)が大流行。流言飛語飛び交い、怪しいおふだが売られ、薬の値段が釣り上がる。
疫病を使った金儲けを目論むヤカラが雨後の筍のように湧くのは現代と同じ。
鈴菜の医療の師匠・滝沢宗伯(たきざわ そうはく)は、ある偽薬の存在に危機感を抱く。
そして・・・惣介の長女・鈴菜は、文政七年正月で十七歳。
医学の勉強も始め、武家の娘らしい身なりや立ち居振る舞いをするようになった。
大鷹源吾(おおたか げんご)と恋仲らしい。
娘を持つ父親あるあるで、認めたくない惣介だったが・・・
- 感想投稿日 : 2022年12月16日
- 読了日 : 2022年12月16日
- 本棚登録日 : 2022年12月16日
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