望み

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本棚登録 : 1231
レビュー : 211
著者 :
tamazusa_doさん  未設定  読み終わった 

やりきれない結末ではある。
どちらに転んでもやりきれない結末にしかならない物語だったが、事件の謎解き、誰が犯人なのかということを推理する作品ではない。
家族が事件に巻き込まれた時、家族が遭遇する、外を取り巻く環境と、内面の精神がさらされる嵐。

母は、人を殺していても、息子が生きていることを望む。
母性とはそういうものだ。

父は、自分たちが人殺しを育ててしまったという事実を肯うことはできない。

妹は、身内から犯罪者が出たとしたら、自分の人生はどうなるのかを心配する。

はたして、行方不明の家族は、被害者なのか加害者なのか。
どちらを望むかと言われれば、どちらも望まないのだが、その選択は無い。
どちらを望んだとしてもそれは『望み(希望)のない望み』だ。

ていねいに、細やかに描写され、誰の気持ちも分かるだけに、結末が近づくのを恐れた。
マスコミの迷惑さは、いつものことだが、それよりも悪質だと思うのは、何も分からないうちから犯人を勝手に決め付け、自宅に玉子を投げつけたりペンキを吹きかけたりした輩だ。
明日には自分の軽犯罪を反省することもなくけろりと忘れて次の興味の対象に湧いてしまうのだろう。
ストーリーに直接関係は無いが、そんなことも考えてしまった。

レビュー投稿日
2017年4月11日
読了日
2017年4月11日
本棚登録日
2017年4月11日
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