薬種問屋・伊勢屋の小僧・助松が、残された日記を元に、失踪した父の謎を追う。
…と言ってもまだ12歳だから、大人の手助けが必要。
手がかりは、父の日記の中に記されている、万葉集の歌。
伊勢屋のお嬢さんのしづ子や、謎の美形陰陽師・葛木多陽人(かつらぎたびと)に、歌の意味を教えてもらいながら、助松は次第に万葉集に興味を持っていく。
しかし、父は意外な事件に絡んでいて…
もはや万葉集オタクみたいなしづ子お嬢様。
万葉集を語ると急に早口になるとか、ある古書店主を思い出す。
そして、真面目な歌はつまらない、と言い放ってはしづ子の不興を買い、政治批判の狂歌を作ってふざけてみせる、葛木多陽人。
だが、意外に頼りになる人物であり、助松も慕っている。
万葉集の歌が暗号に使われているのが面白い。
私の好きな、有間皇子の歌も出てきて、しみじみ思いを馳せた。
そして事件は終わっているようで終わっていない?
父にはまだ秘密があるのか?
助松の成長も楽しみで、シリーズとして長く続いてほしい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年1月13日
- 読了日 : 2021年1月13日
- 本棚登録日 : 2021年1月13日
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