家守綺譚

4.06
  • (792)
  • (494)
  • (596)
  • (26)
  • (9)
本棚登録 : 3422
レビュー : 616
著者 :
tamazusa_doさん  未設定  読み終わった 

こんな素敵な本だったとは知らず…

湖で亡くなった友人・高堂の実家を、彼の父親から任されて住みながら管理することになった、綿貫征四郎の一年。

人ならぬもの…植物や動物が何故か彼の前に頻繁に現れ、高堂も、疏水をたどってか、ときどき水辺を描いた掛け軸の中からボートで現れたりする。
学生時代のように気軽に言葉を交わすものの、そこにはやはり、違う世界に住まうものの隔たりが確かにあるのだった。

古い民家。
時々風を通して家を保って欲しいということだが、綿貫は、戸は開け放ち、ムカデもマムシも入れ放題。
湿って踏み抜いた床下から延びた蔓もはびこり放題。
来るもの拒まずで、まことにアチラの世界へのガードもゆるく、何度も化かされたり取り込まれかかったり(笑)
それでも危ういところでこちら側に踏みとどまっている。

短編のタイトルはすべて植物の名。
文章そのものも、ふんいきも美しい。

犬のゴローさんがまことに男前である。

サルスベリ/都わすれ/ヒツジグサ/ダァリヤ/ドクダミ/カラスウリ/竹の花/白木蓮/木槿(むくげ)/ツリガネニンジン/南蛮ギセル/紅葉/葛/萩/ススキ/ホトトギス/野菊/ネズ/サザンカ/リュウノヒゲ/檸檬/南天/ふきのとう/セツブンソウ/貝母(ばいも)/山椒/桜/葡萄

時々植物名を検索しながら読んだ。
「貝母」の別名が「アミガサユリ」だったことを知り、本文中の謎か解けたり、「セツブンソウ」の写真の美しさにびっくりしたり。

レビュー投稿日
2017年3月5日
読了日
2017年3月5日
本棚登録日
2017年3月5日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『家守綺譚』のレビューをもっとみる

『家守綺譚』にtamazusa_doさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする