侠飯6 炎のちょい足し篇 (文春文庫 ふ 35-7)

著者 :
  • 文藝春秋 (2020年4月8日発売)
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すっかりおなじみ、侠飯(おとこめし)シリーズ第6弾。

風見蓮太郎(かざみ れんたろう)27歳は、製薬会社重役の父と二人暮らしだが、独善的な父と対立し、目指す“司法試験予備試験”にもなかなか受からず、ゲームにはまりこんで引き篭りになってしまった。
そこへ、自立支援施設の職員と名乗る男たちがやってきて、父の意向で施設に入ってもらうことになった、と連れ出される。

この本を読み始めたタイミングで「引き出し業者」の事件をヤフーニュースで見て、初めてその名を知った。
何とタイムリー!

今回も、悩める青少年の味方(本業はそこじゃないけど)、柳刃さんと火野さんが料理をふるまってくれる。
近所にはコンビニしかないので、コンビニ飯のアレンジが今回のテーマだ。
主人公たちと目線の近い火野さんの、話の聞き出し方が絶妙。
そこへぼそっと、柳刃さんの渋い人生論が入る。
息ぴったり。
今回、柳刃さんの「ひきこもり」に対する考え方にはちょっと驚いたが、なるほど。

そして、最後は二組の親子の問題でもあった。
親の心子知らず、蓮太郎親子のケースは、子の心親知らずなところもあった。
「炎のちょい足し篇」という副題がついているけれど、別の本だったら、エピソード⑧の「涙の親子丼」がサブタイになったかもしれない。

お約束で、前作の主人公の名前がちょっと出るサービスも健在。


プロローグ――ひきこもりと引きだし業者
①ちょい足しとアレンジで絶品コンビニ飯
②自家製タレと焼き方が秘訣。本格焼肉
③ジャンクな食材が大ごちそうに。手作りもんじゃ
④鍋とリゾットで二度美味しい。熱々ポトフ
⑤鯨ベーコンと貝柱とヅケマグロ。簡単海鮮づくし
⑥ステーキと本場のサルサが決め手。激旨タコス
⑦富士宮に横手に日田。ビールが止まらぬ名物焼きそば
⑧父と子の心をほぐす、この一膳。涙の親子丼
エピローグ――弱きを助け、強きをくじく。任侠の道に挫折なし

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次回作に名前が挙がる時は、蓮太郎は弁護士になっているかなあ~?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月19日
読了日 : 2020年6月19日
本棚登録日 : 2020年6月19日

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