情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)

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レビュー : 71
著者 :
tamazusa_doさん  未設定  読み終わった 

BAR(バール)追分シリーズ、第3弾。
「情熱の」という枕詞に昭和を感じる(笑)
カバーイラストがまた変わったのですね。

「ねこみち横丁振興会」の専従職員としてよろず管理人をつとめる宇藤輝良は、シナリオライター志望。
モノカキとしての仕事もだんだんと増えてきている。
その、宇藤と、謎(だった)見習いバーテンダー・伊藤純の、過去と未来を微妙に撚り合わせるような役目を担う人間たちが現れて、シリーズとしてのストーリーは、着実に進む。
それと並行して、ゲストキャラ達の心に染みる物語が語られる。
「追分」というのは、分岐点なのだな…ということを、今回またしみじみと悟った。

第1話『お好み焼き大戦』
関西風と広島風から始まったお好み焼き論争が、こなもん大戦にまで紛争拡大!
にぎやかに語られる中、読者のお腹が盛大に鳴るはず。
佐田辰也が、子供の頃お祖父ちゃんに作ってもらった懐かしい浜松風お好み焼きの味で、穏やかに締める。

第2話『秋の親子丼』
私も、あつかましいドジっ子がちやほやされる話はあまり見たくないですね~
自分は芸術家に向いていないのかと悩む宇藤だが…
両親の離婚で、父母それぞれについて別に育った、清水啓太と奏太の兄弟。
四十に手が届く大人になり、父母を亡くしたことで、法事などで再会し、再び会うようになる。
父の好きだったウイスキーを傾ける、兄弟の結びつきが温まる話。
田舎暮らしの描写も素敵。

第3話『蜜柑の子』
母子家庭の柊(しゅう)くんは母親が盲腸で入院した5日目から、物を食べなくなってしまった。
振興会会長の遠藤が連れてきた6歳の柊くんを、宇藤が預かることになる。
子育てする宇藤くんもよい。
汽車の窓からミカンを放るシーンがある、芥川龍之介の『蜜柑』
母と新潟へ向かうバスの窓から、柊くんが放った物は?

第4話『情熱のナポリタン』
宇藤に心を開いてきたのかそうでないのか、ますます気になる伊藤純。
しかし、宇藤も伊藤も、自分のこの先をしっかり見つめて歩きだしているようだ。
二人に蹴られた例の人…というか集団はどういう動きを見せるのか、この先も目が離せない。

輝良(てるよし)を「キラ」って読んじゃうところがまた、計算したようなキザ。


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黄金色の親子丼、鮭といくらの親子丼。
いくらを乗せたとろろごはん。

焼きそばのパンケーキ巻き、アジフライと千切りキャベツのパンケーキ巻きはソースの香りが決め手。
カリーパンとクリームパン。

ドライカレーにチーズ入りオムレツのせ、ボルシチ風・肉団子の煮込み。

チョリソーとかんずりが味の決め手、情熱の辛いナポリタン。

レビュー投稿日
2017年4月27日
読了日
2017年4月27日
本棚登録日
2017年4月27日
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