カクレキリシタン 現代に生きる民俗信仰 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年2月24日発売)
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感想 : 7
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筆者がいうように、「カクレキリシタン」の世界は、宗教学というより民俗学の世界だ。

この本を読んだあと、筆者自身の先祖がそのような人々のひとりであったということをネットで見つけて「腑に落ちた」ところもある。筆者はある意味ネイティブスピーカーに近い立場で「採訪した」といえる。それだけ「閉じられた世界」であるといえよう。だんだん口承できる人がいなくなって滅びていくのは方言(例えばアイヌ語)などと同じなのかもしれない。ただ、「講」を閉じた人たちが「仏教」や「神道」や「カトリック教会」のグループに転じていきながらも、自分の「信じているもの」を全部は捨てない(家の中の仏壇、神棚、礼拝対象に作られたもの(自然物だったり、神社だったり、さまざま)というところにはなるほど、と思った。副題にあるように「現代に生きる」なのだ。

いわゆるキリスト教はもともと一神教だけど、日本の多くの宗教は多神教だ。この「カクレキリシタン」の人たちの信じているものはどちらの要素もある。

本文にあった「オラショ(ウラッショ)」に何度もでてきた「サンジュワン(様)」「サンジワン(様)」というお名前から「ゼウス(神)」「マリア」「イエス」「ペトロ」と思われるキリスト教に関わることばの、まさに文字(の)列から受ける印象にただただ圧倒される。部外者の私には過剰にさえ受け取れる文字列だ。しかし、ここから「信仰篤き人々の祈り」が命がけだったことがわかる。「信じる」ことによって救われることを求めた/求めている人たちがいた/いる、ということだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月13日
読了日 : 2020年4月10日
本棚登録日 : 2020年4月13日

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