Sun, 29 Nov 2009
SVM(サポートベクターマシン)についての書籍や解説は多いが,他のカーネル法に焦点をあてた本というのは意外に少なかった.
カーネル法は 非線形の問題を,カーネル・トリックをつかって,エイヤで,少ない計算コストで解けてしまうという.すばらしいもの.
実際にはSVMであつかう,「サポートベクトル」という考え方とはある種,独立に存在するのです.
しかし,そこを上手く導入してくれる本っていうのが,これまで余りなかったのだが.
本書は、カーネル関数とは何か?
からはじめ
カーネル回帰,カーネル主成分分析,カーネルk-means と
通常線型でやられるものの,シンプルなカーネル化という,方向でどんどん進めて行く.
この辺りは,数学的にも行列計算主体で進むので,スッキリしていいのだ.
カーネル判別分析,カーネル正準相関分析,などとしてから SVMに入る.SVMはカーネル法 のみがエッセンスではない.
例えば,サポートベクトルという小数のサンプルで分離面を描けるのは,カーネルの偉さというよりかは,ヒンジ型の損失関数による.
カーネル法について,研究上発見された順ではなく,数学的に,分かりやすい順にならべて,SVMはカーネル法の一つの特殊ケースと位置づけて解説している.非常に,まっとうな本なのです.
ながらく積ん読していて本当にもうしわけなかった.
おすすめだ.
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年1月4日
- 読了日 : 2009年11月29日
- 本棚登録日 : 2015年1月4日
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