(079)隣 (百年文庫)

  • ポプラ社 (2011年6月10日発売)
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感想 : 6
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小林多喜二「駄菓子屋」。流行りから取り残された駄菓子屋のお母さんが、家財を質入れしないと家計が成り立たないことを嘆きながらも、子ども達の明るさに寄り添いながら生きていく話。時代の今昔、規模の多寡は問わず、商売はむつかしいものだという感想を持った。
十和田操「判任官の子」。子買い屋あそび「子買うよう、子かよー」こんな遊びがあったんだ。洋服を買ってもらえず、不満たらたらの男の子の心情。子どもと親の心情。思うままに好きな物を買ってやれない親と、級友の持っている物をねだりたい子どもの心理。時代が移り変わっても、規模は違っても本質は一緒のこと。なんと言って聞かせるか。また、ずるい子に悪さの濡れ衣を着せられたときも、どう振る舞うかはどう育てるかにかかる、そんな気がした。
宮本百合子「三月の第四日曜」。戦時下の話、東北から東京に出て働いている若い女性が小学校を終えて同じく東京に出て働き始めた弟を案ずる気持ち、職場の監督役の若い伍長に対する同僚たちの表に出せない思慕の念が交錯する。
何時の世にあっても普遍的な心のうちを集めた作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年7月31日
読了日 : 2012年7月31日
本棚登録日 : 2012年7月31日

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