(094)銀 (百年文庫)

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tanisi2000さん  未設定  読み終わった 

堀田善衛「鶴のいた庭」。廻船問屋として栄えた生家の曾祖父の晩年のすがたに、時代の激変のなかで落ちてゆく旧家の歴史を思う。和船が蒸気船に変わり、港を見張る遠見望楼の重要度が低くなった当時の状況が描かれている。作家の生家を描く長編小説の序章として書かれたが、資料焼失のため未完に終わったのは惜しまれる。

小山いと子「石段」。佐渡を旅した女性が、ふたり姉弟を連れた男と行く先々で一緒になり、最初は好ましく思えなかった男とその子供たちが気にかかるようになる。作家は、読売新聞の人生案内の回答者を20年に亘ってつとめたとのこと。

川崎長太郎「兄の立場」。関東大震災直後、小田原を離れて文筆で整形を立てつつある兄が、魚屋を継ぐ弟を不憫に思う。不景気ということもあり、志あるものすべてが自由に生きられなかった時代の、若者の将来を思う気持ちは、いまの世相に通ずる。
自由の尊さを感じる。

レビュー投稿日
2013年1月26日
読了日
2013年1月26日
本棚登録日
2013年1月26日
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