恋愛小説というよりも、現在、未来によって過去に意味を与えられることへの希望を感じさせるふたりの生き方に感動しました。
何故、と泣きたくなるような事も、後から振り返れば、「あの時の壮絶な苦しみのがあったからこそ今の自分がある。」という価値を見出だして、感謝の気持ちにも変えていける。
これまで自分が漠然と信じてきた「ムダなことなんてひとつもない」というのは、そういうことなのだと繋がった気がします。
生きる意味と向き合い続けた蒔野と洋子が美しかった。
蒔野のスランプとその後のより色彩豊かな人格、音楽へのステップアップは、今の自分の闘病生活とも重なり励まされるものだったし、洋子の視点での蒔野のニューヨークでの演奏の描写には思わず涙が出ました。
大げさかもしれないですが、
私自身、こうやって生きる意味を考えていける歓びに涙が出て、心が震えるほどの感謝を感じました。
結局単行本も買いましたが、最初に読むきっかけになったKindle Unlimitedには感謝!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年9月1日
- 読了日 : 2016年9月1日
- 本棚登録日 : 2016年8月31日
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