潮騒 (新潮文庫)

3.65
  • (532)
  • (803)
  • (1249)
  • (87)
  • (16)
本棚登録 : 6912
レビュー : 843
著者 :
tatさん  未設定  読み終わった 

純愛小説。
歌島の雄大な自然の描写と、それと共に生きる人々の気持ち良さ。
新治の純朴さと初江のかわいらしさ。
結婚や恋愛に対し、自分の意思より家が優先される時代に、二人の人柄が周りを後押しし、ついに結ばれるというハッピーなストーリー。

ただ、それだけで終わらせないところがあり、三島由紀夫らしい気がした。

例えば、初江が新治の母にプレゼントしたハンドバッグに対し、島の政治はいつもこうして行われる、と初江の無意識の政治的な立ち振る舞いを感じさせられる。

最後の一文。初江が自分の写真が男を守ったとかわいらしか思うのに対し、新治は眉を顰め自分の力だったのだと考える。二人の視点や考えの違いがはっきり描かれている。

お互いが逢えない時間の中で、初江は男のことを考え、新治は新しい世界の魅力を知った。視点がズレてしまったのは悲しいけれど、それぞれの成長なんだと自分を納得させようと思う。

レビュー投稿日
2015年11月24日
読了日
2015年11月24日
本棚登録日
2015年11月18日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『潮騒 (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『潮騒 (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする