世界がわかる宗教社会学入門

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本棚登録 : 202
レビュー : 17
著者 :
tatsuki-nakamuraさん  未設定  読み終わった 

橋爪大三郎教授のロングセラー。
ずっと読もう読もうと思って積んでたのを読みました。

これ物凄く良いです。

「宗教」とは何か?という根本的なところから始まり(筆者は、「ある自明でないことがらを前提としてふるまうこと」と定義しています)、世界の主要宗教についてざっくりとわかりやすく概説してくれています。

宗教は社会構造(法律や契約など)と密接に関連しており、宗教を学ぶことがすなわち社会について学ぶことであると、筆者は述べています。
にもかかわらず、日本人はある種の「宗教アレルギー」に陥ってしまっており、その宗教的無知が国際社会において如何にマイナスとなるかという指摘がなされています。
日本人の宗教的誤解の例として挙げられていたのが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の「神(God)」についてです。
この3つの神(God)はそれぞれ別個のものであって、だからこそ本当の神(God)を巡って宗教的対立が生まれているのだ、という誤解を抱いている方は大勢いると筆者は述べています。(実際は、この3つの宗教における神(God)は全て同一です。ここでいう「God」は普通名詞であって名前ではありません。)
このことは、ユダヤ教徒にとってもキリスト教徒にとってもイスラム教徒にとっても当たり前のことであって、こういった基本的な事柄さえ日本人は知らないと筆者は指摘しているわけです。
個人的な感覚としても、このことを分かっていない日本人は多いのではないかと感じられるので、筆者の指摘はおおむね正しいのではないでしょうか。

こういった基本的な事実認識に大きな差がある状態で、日本人が国際社会に出るのは非常に危険であると筆者は警鐘を鳴らしています。

日本人的な感覚から言うと違和感があるかもしれませんが、宗教と知性(科学と換言しても良いかもしれない)とは密接に関連しています。そのことを理解しないで(宗教的無知のままで)、宗教がバックボーンにある国・社会・人々と接すれば、当然相互理解は進まないでしょう。

某宮脇先生もおっしゃっていましたが、国際社会で活躍するためには宗教知識は必須です。
宗教社会学のとっかかりとしてはかなりの良書だと思います。
お時間があれば是非。

レビュー投稿日
2013年1月10日
読了日
2013年1月10日
本棚登録日
2013年1月10日
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