雪 (岩波文庫)

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本棚登録 : 444
レビュー : 63
著者 :
たっちさん 2019年   読み終わった 

やっと読めた。「雪は天から送られた手紙である」という素敵な言葉は前から知っていたし、少し前に師匠に当たる寺田寅彦の作品を多少読んでおりかねがね読みたいと思っていた。この冬の間に読めて良かった。

冒頭では専門ではないとしながらも人の生活の中での雪、特に雪害について述べ、本文中では単に仕事として研究しているのではなく、雪の美しさ、自然の美しさに感動していることを記し、附記では雪の研究は一人の人間が一生かかっても片付くようなものではないが、自分の研究が後進の土台となっていくという科学の在り方を述べて結んでいる。
「自然に感動すること」、「地道に誠実に研究すること」、「科学と社会の関係」などおそらく自然科学者としてとても大事なことを含んでいると思う。

「研究というものは、このように何度でもぐるぐる廻りをしている中に少しずつ進歩していくもので、丁度ねじの運行のようなものなのである」
とかく最近はすぐに結果を求められる時代になっていきているけど、科学研究のこうした性格を認識して、基礎研究を守っていける社会であってほしい。

さすが寺田寅彦の弟子だけあって、情緒を感じさせてくれる。『科学の方法』も最近買って読みたいけど、『中谷宇吉郎随筆集』も読んでみたい。

レビュー投稿日
2019年1月14日
読了日
2019年1月14日
本棚登録日
2018年12月10日
3
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