ファウスト(一) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1967年11月28日発売)
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冒頭「その昔、わたしの曇った眼の前に表れ出たおぼろな姿が、今また揺らめき近づいてくる。」
末尾「ハインリヒ、ハインリヒさん。」

文豪ゲーテの名作『ファウスト』。戯曲というものだったのですね。戯曲初体験。時代が古かったりするけど、セリフつまり話し言葉が多いこともあり、案外読みやすい。

ファウストは世界の根源を極めようという、いわば理性の人。そこに悪魔メフィストーフェレスが出現し、この世で面白い目をみせるかわりに、死んだら魂を貰いたいと申し出る。自分の意思の強さを信じるファウストは悪魔と契約を交わして少女グレートヒェンに恋をする。ガチガチの理性の人が本能や感情の人となってしまい、これからどうなっていくのか楽しみ。本書は獄中のグレートヒェンを連れ出すところで終わっている。

自分も性格的には元のファウストに近い方だと思う(全然能力はないけど)。人として、どっちが良いのかなと考えるヒントを示してくれそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年
感想投稿日 : 2020年9月23日
読了日 : 2020年9月22日
本棚登録日 : 2013年2月15日

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