「長くつしたのピッピ」に続く2巻です。「長くつしたのピッピ」はかわいい挿絵がついたポプラ社で読んだのですが、2巻が出ていなかったので岩波に乗り換えました。読んで気づきましたが、岩波の桜井誠の挿絵、すごくいいですね。外国風で、これが原作のものかと勘違いしました。調べてみたら原作の挿絵はもっと幼い感じのする絵柄で全然違いました。
以前に1巻を読んだとき実は僕は、ピッピがあまりに無敵なために物語に起伏がなくなっていて、大人にとっては楽しめなくても仕方がないものなのではないかと思ったのでした。2巻に来てもピッピの無敵ぶりはとどまるところを知らず、経済的にも町に出れば金貨を使ってとんでもない大人買いです。子供なら素直に「すげーー」と楽しめるわけですが、僕としては、お金を使っても無人島に行ってもまったくもって動じないピッピは、トミーとアンニカよりもだいぶ大人に見えてしまって、子供と大人が遊んでいるように思えてしまいます。
ところが中盤から、お父さんが帰ってきて島に一緒に行ってしまうという流れになって、僕にとっては格段に面白くなりました。まずお父さんとピッピの取っ組み合いがものすごくて、まるでドラゴンボールです。実写版ではどんなだったんでしょう。また、プラス要素だけだった物語に、予定された悲しい別れというマイナス要素ができたことによってぐっとしまった感じがしました。そんなわけで1巻よりもずっと好きです。もっとも、文句は書きましたが1巻だって2巻だって名作なのは間違いありません。うちの子供たちもやっぱり喜んで聞いていました。王様が気に入ったみたいですね。
- 感想投稿日 : 2015年1月17日
- 読了日 : 2015年1月15日
- 本棚登録日 : 2015年1月17日
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