敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人

  • 岩波書店 (2004年1月30日発売)
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感想 : 42
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戦後史を膨大な文献とあらゆる階級の人の聞き取りをもとに外国人の立場からまとめた本。あまりのおもしろさと内容の新鮮さに一気に読んでしまった。特にマッカーサー元帥が天皇制民主主義をとことん維持しようとしたこと、日本国憲法はたった1週間で限られた外国人スタッフにより作られたものであること、戦後の出版物はほぼ全てがGHQの検閲のもとにあったこと、等といった絶対に学校では教わらないようなことが多く記載されている。天皇制や東京裁判の評価をここまで深く書くことができるのは外国人ならでは。GHQは多くの改革を行ったが、本質的に日本は変わっていないのではないか、という著者の考察には頷ける。戦後70年を迎えるにあたって、全日本人に読んでいただきたい名著であることは間違いない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年2月9日
読了日 : 2015年2月8日
本棚登録日 : 2015年1月31日

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