ジュテーム、カフェ・ノワール (Dariaコミックス)

4.06
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本棚登録 : 2057
レビュー : 123
蛍花さん BL漫画   読み終わった 

日常系ホモの短編集。ストレートな恋愛至上主義の少女漫画的BLではないのでBL好きの方でも好みが分かれそうですが、こういうBLもあるのか…とは思えそう。
直接的なイチャラブとかエロスが読みたい人には向かないです。日常に溶け込んだドラマ中心。正直この単行本のBL要素は添え物程度だと思う。


『ラ・カンパネラ』
 モノローグとか考え方はヤマシタトモコキャラという感じですが、案外ふつうのBLっぽい。でもキャラとか台詞はやっぱりヤマシタトモコ。
 日比谷…友達できてよかったね…って思わず生温い目で見てしまった。美形なのに童貞で不慣れとか言われて友達いないとか(笑)

『こいのじゅもんは』
 じゅもんっていうと、ケセラセラしか思い浮かばない貧相な脳みそです。
 台詞のテンポとやりとりがほんとに上手いな…って思います。それと妙なリアリティ。
 本物のゲイの方とか、本来は女性を好きなのに男性を好きになってしまった男性とかが、一般的な性指向の男性に思わず気持ちを打ち明けてしまってもここまでポジティブな展開にはならないでしょ…とは思うのですが、なぜか現実的なものを感じてしまいます。ヤマシタさんらしい独特な言い回しとかをしていてもなぜか。
 あと、これって明確になってはいないですけど、やっぱり黒髪の人が受けなのかな…と思ったり。

『サタデー,ボーイ,フェノミナン』
 え、それでいいの!?と、結末を読んで思ってしまった。一応ハピエンだと思いますが。
 きっと桐谷を傷つけたぶん、三浜も後悔とか後味の悪さで苦しんだのかな…とは思いましたが、このままどうしようもない方向に行くのかと思いきや、ふつうにやり直す方向にまとまったので驚きました。個人的には不完全燃焼。
 しかし、(痛々しいですが)思春期の残酷な部分の描写はやっぱり秀逸です。

『魔法使いの弟子』
 個人的にこの作品に★5を付けてます。BLとは言えないかな…と思うのですが、やっぱりこの方の描かれるゲイ(のオジサン)と少女は萌えすぎる。あと表情の描写がとても好き。
 ファンタジックな話ですが、絵本的な要素に少し憧れます。それと、やっぱりヤマシタさんの描かれる少女はサッパリしてて逞しいですね。
 こういうかたちでひとつの恋に終止符を打つ描き方がBL(一応)では珍しい気がする。大抵昔の恋を忘れさせてくれる新しい恋の相手が登場するイメージなので。
 完全余談ですが、描き下ろしの「魔法使いので。」のチャラい男が(受けとして)好みすぎてたまげた。しかしこういうキャラをヤマシタトモコ作品(ホモのしかも受け)で見ることは絶対にないと思った。残念なことに。

『cu,clau,come 食・喰・噛』
 やっぱり独特なアプローチの仕方が好きです。確かに仄かなエロスを感じる。
 現実的な離別っぽくて切なかった。終始静かな話でしたし。好きという想いだけで現実的な問題が解決するとは限らないというリアリティ。
 人間の三大欲求はだいたい同じ感覚がすると思う。

『ワンス アポン ア タイム イン トーキョー』
 電車の閉鎖的な物悲しさとノスタルジーをとても感じる。高校生時代の会話がかわいくて愛しい。

『ジュテーム、カフェ・ノワール』
 やー笑いました!カフェ・ノワールに行ってみたい。常連になってしまいそうだ。とりあえず店員二人をガン見の方向で。
 会話の応酬とか、ほんとにおもしろい。特にメッセージ性のある話ではないのだけど、日常的なやりとりとかくだらない会話に笑ってしまう。「なにトンチキなことぬかしてんのよ あんた!!」って、なにその絶妙なタイミング(笑)ありそうで怖い(笑)
 わたしも性格悪い人間だな…。というかこの方は人間観察とか人間の特徴とか捉えて漫画で表現するのがほんとに上手いと思います。少しくらいありえないことが起こっても、台詞や行動でリアリティを感じてしまうことが多いですし。
 涙の止まるコーヒーです。←そりゃあ笑うしかない。

レビュー投稿日
2011年5月10日
読了日
-
本棚登録日
2011年5月5日
2
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