下巻、第一次上田合戦から、大阪の陣。あらゆる手を尽くして、それは時には死力を尽くして得た領地を一時的に奪われることをも惜しまず、表裏比興と言われても、冷静に実を取る昌幸。現在においては仕事やら何やら信頼が大きなところを占めるのであるが、こういった自身に勢力や資金が無くても実力があり、強かに生きる術は大いに学ぶべきところがあろう。
そしてそれとは真逆に位置する義に生きようとする幸村。ただし何処か義よりも一族より自身の生き方、存在意義を打ち立てようとしているように思える。しかしそこにも幸隆、昌幸から連綿と続く、一族への思い、誇りが浮かび上がるのであろう。
ただ残念なことに、最後の大阪の陣のクライマックスが、勿論活躍はするのであるが、何処か拍子抜けする。何故であろうか?恐らく思いの外に大阪の陣が展開が早く、それ故に幸村の死への「恍惚感」が感じられなかったからなのかもしれない。
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- 感想投稿日 : 2023年4月28日
- 読了日 : 2023年4月28日
- 本棚登録日 : 2023年4月28日
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