和泉蝋庵シリーズ二作目。
どの編も幽booksから発行されている文芸誌に掲載されたようですが、最後の一編は書き下ろしでした。
要所要所は押さえているものの、前作ほど蝋庵の印象は強くなくて、耳彦あってこその内容が多かったです。それがまた不気味でいい味出ていました。
読みやすいけど、気味が悪くグロテスクな描写が多いです。こういう物が好きな人でないと普通は読まないだろうと思います。そんな内容の中にも、ホッとしたり心温まったりや切なさを強く感じさせるところが多くて、さすが山白(乙一)さんだと思いました。
次は、蝋庵の出自が何かしら出てきそうな終わりかたで・・でもそれを出したらシリーズも終わりになるのじゃないか、と、いらない憶測ですね。
前作同様、この糸のスピンがいいです。なんと、今回は糸三本(絹糸?紺、緑、紫)。開きにくいけど、作品の雰囲気にぴったりで好きです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(日本)
- 感想投稿日 : 2018年3月14日
- 読了日 : 2018年3月13日
- 本棚登録日 : 2018年3月2日
みんなの感想をみる