身体に根差して、性格ができる。ってのはいわれてみればその通りだが、ことのほか分類というか違いが難しい。が、読み進めていくと、面白い。
まぁ難しいのは当然のことで、スタート地点が、整体、いわば身体の分類から始まるからだ。一般的な性格分析の本は、性格を分類、タイプ分けすることからスタートする。
だが体癖論は、こういう身体傾向だからこういう分類、でこの分類はこういう性格という順序。
前者の性格をタイプ分けし、わかりやすく解説する本とはベクトルがちがう。しかも身体の特徴は複合しているときたら、素人が使いこなすには敷居が高い
どうしても本を読んでいると、頭を使い、身体は置いてきぼりになる。だから著者の野口先生も道場をつくって、研究実践していったのだろうと思う。
極めた天才の世界の見かたの一片を垣間見れ、他人とのコミュニケーションのとっかかりにも使える。
で、何より印象的だったのは、この体癖うんぬんではなく、著者の
「健康に至るにはどうしたらよいか。簡単である。全力を出し切って行動し、ぐっすり眠ることである。自発的に動かねば全力は出し切れない。人間というのは妙なもので夜行の込んだ汽車で徹夜しても、スキーをするためなら疲れない。お役目で出かけるのだったら、乗っただけで疲れてしまう。人間はそういう構造をしているのである。力いっぱい全身で行動すると快いのに、中途半端な動きで力を余すと、その力が後悔とか不満とか不安に化ける。体を丈夫にするためには何よりまず自分が動くことである。~中略~溌剌と動いた者にのみ深い眠りがある」
体癖論は枝のように発展していって難しいけど、忘れがちでシンプルな土台にも目を向けることができる。
- 感想投稿日 : 2021年10月26日
- 本棚登録日 : 2021年10月26日
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