著者は仕事を大きく分けてディープワーク(注意散漫のない集中した状態でなされる職業的活動)と
シャローワーク(知的思考を必要としない、補助的な仕事)のふたつにわけています。
で、当然のことながら、いかにシャローワークを減らして、
ディープワークに振り向ける時間を増やすか、その方法を語っています。
その中で著者の造語かと思うのですが「最小抵抗の法則」というのがあります。
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「人は様々な行動の純利益への影響に関し、明確なフィードバックがなければ、その時点で最も容易い行動をとる」
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うまい言語化ですね。私を含め、ほとんどの人間って、たいてい「やるべき行動」や「やったほうがよい行動」は、していない。実は「やりやすい慣れた行動」をしていますよね。出来るだけ「変化」という「抵抗」が一番、少ない行動を選ぶようになっている。つまり、たいていの場合「純利益増大のために生産性を上げる」とか、という本来の目的とは、関係のないところで意思決定して行動をしている。容易いシャローワークばかりに時間をとられて、ディープワークが出来ていない、ということですね。確かに!と反省しきり!!
で、どうすれば良いのか???そのあたり気になる方は本書を読んでいただくとして、その本題とは、ずれますが、本書の中に、ある建築家の「人間の能力を最大限活かすオフィス」の構想という記述があって、面白いので、そのまま書き写して引用いたします。
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その建物は、5つの部屋が1列に並んでいる、幅の狭い長方形の平屋だった。共有の廊下はなく、部屋を通って次の部屋へ行くしかない。
最初の部屋は、ギャラリーだ。この部屋はディープワークの実施例が入るはずだ。使用者を鼓舞し、「健全なストレスと同僚のプレッシャー」の文化を作り出すためだ。
ギャラリーを出ると、次はサロンに入る。ここでは、上質のコーヒーと本格的なバーが利用できる。長椅子とWi-Fi端末もある。サロンは「強い好奇心と議論の間をさまよう」雰囲気を醸し出すように作られている。討論し、「熟考し」さまざななアイデアを深める場所なのだ。
次は書斎に入る。この部屋には、この機構で生み出されたすべての記録が常設してある。むろん、書籍やこれまでの作業に使用された情報源なども備えられている。必要な情報を収集するためのコピー機やスキャナーも入れられる予定だ。書斎は「この機構のハードディスクドライブ」である。
次の部屋は、オフィスだ。ホワイトボードの他、間仕切りで区切り、デスクを備えた作業スペースがいくつかある。「オフィスは低強度の活動のため」としている。プロジェクトに必要なシャローワークを行う場所ということになる。オフィスにはデスクとともに管理者がいて、使用者を手助けして作業効率を向上させ、能力を最大限発揮できるようにする。
最後の部屋は「ディープワーク区画」が集まったものだ。各区画は分厚い防音壁で守られる。「ディープワーク区画の目的は、完全に注意を集中し、仕事の流れが中断されないようにすることだ」内部で90分過ごしたら、そのあと90分休止し、これを2.3回繰り返す、その時点で、人の脳は一日の意識集中の限界に達する。
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う~ん。オフィスというよりも、自分の家をこのように、改造したい!
と思ってしまいますね。
おっと、これも、この本の本質とは離れた、シャローな読書でしょうか(笑)
2017/11/21 12:11
- 感想投稿日 : 2018年1月4日
- 本棚登録日 : 2018年1月4日
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