キッチン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年6月28日発売)
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R1.8.31 読了。

 ずっと気になっていた作品。大切な人を失くした空虚感にあったみかげを雄一とえり子親子に声を掛けられて同居することになり、徐々に新たな大切なものを見つけていく。
キッチン、キッチン2は、悲しみも苦しさも誰かを想ういとおしさも優しい気持ちも同時に味わえた。また、みかげが強く生きようとしている姿から勇気ももらえた。
 ムーンライト・シャドウも不思議な感じはしたが、内容は良かった。

・「それでも彼女は圧倒的だった。もう一回会いたいと思わせた。心の中にあたたかい光が残像みたいにそっと輝いて、これが魅力っていうものなんだわ、と私は感じていた。」
・「なにが悲しいのでもなく、私はいろんなことにただ涙したかった気がした。」
・「本当にひとり立ちしたい人は、なにかを育てるといいのよね。子供とかさ、鉢植えとかね。そうすると、自分の限界がわかるのよ。それからがはじまりなのよ。」
・「まあね、でも人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。」
・「もっともっと大きくなり、いろんなことがあって、何度も底まで沈み込む。何度も苦しみ何度もカムバックする。負けはしない。力は抜かない。」
・「偉大な人物はいるだけで光を放ち、周りの人の心を照らす。そして、消えた時にどうしようもなく重い影を落とす。」
・「幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。」
・「人の心には宝石があると思わせる。」
・「本当のいい思い出はいつも生きて光る。時間がたつごとに切なく息づく。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名
感想投稿日 : 2019年9月1日
読了日 : 2019年8月31日
本棚登録日 : 2019年4月20日

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