私がこの本を好きなのは、安心するからかもしれない。
ということは、そこにたどり着くまでは、お話の中で不安を感じているわけで。
「よるくま」の後ろ姿の、身体の線。
たとえ初対面でも、相手が自分の体重すべてを受け止めてくれることを信じて疑わない、幼い子の柔らかな身体。
全身を預けきった、あの体勢。
「おかあさんは? おかあさんは?」
そう言って泣くなあ、確かに。みんな。
「ぼく」の気持ちになって読むのは最初だけで、物語が進むにつれ、「よるくま」の気持ちになったり、「おかあさん」の視線になったり。
少しだけ、と、眠った子どもから離れて用事を済ませていたら、いつのまにか起きた子どもが、泣いて自分を探していた。
そんなとき、子どもの不安に引き込まれてお母さんまで泣きそうになることもあるけれど、この「おかあさん」は全然そうじゃない。
お母さんは、悪くない。
それでも、ちゃんと謝ってくれる「おかあさん」。
「ごめん ごめん」ってあっさり謝って、だっこして、自然に顔がにっこりするような嬉しい話をきかせてくれる。
朝ごはんにはお魚を焼いて、それから自転車。
大きくておおらかで、なんでもできる「おかあさん」
読み終わるといつも、眠くなる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年4月10日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2017年6月15日
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