久しぶりのロードス島戦記。
今回はマーモ島とロードス島の海峡に現れた魔法船を軸にストーリーは流れる。
タイトルにもなっているこの魔法船だが、これまでの竜退治とかと違ってあっさりと対決は終わる。ページ数も200ページ余りと大変少ない。ともすれば外伝みたいなエピソードと変わらないようだとは感じた。
ただ、本作で語られるニースとスパークとの婚姻、新生マーモ帝国の暗黒騎士団長ネータの死、破壊神カーディス教団の暗躍など盛り込まれる内容は多岐に渡る。本編は次回に続く大きな事件の序章に過ぎないような感じだ。
結末もいささか尻切れトンボで物足りない。ネータの死を知った事でヴェイルの身の振り方が気になるがそれに対しても言及がない。
次作を待てということか。
また今回パーン、ディードリットが登場するも何の活躍もしていない。行間から判断すると今ではフレイムの属国の位でしかないマーモがその影響下を離れてスパーク公王の下でマーモ公国として改めて存在意義を発揮する触媒の役目を果たしているかのようだ。
今後のロードス島戦記は寧ろ冒険ファンタジーものというよりも政治色を強めたファンタジーの色合いを強くしていくのだろう。寧ろそちらの方が興味深い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2021年4月21日
- 読了日 : 2021年4月21日
- 本棚登録日 : 2021年4月21日
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