(上巻の感想からの続き)
本書のポイントとなっているのがこの「黄昏教団」という集団が通常のクーンツ作品に登場する常軌を逸した狂乱の集団に配されているのが最後に裏返りそうになるところ。
つまり正しいのは主人公達なのか「黄昏集団」だったのか、一体どっちなの!?ってところだ。だから上巻の感想で書いた「邪教集団」ってのも実は誤りかもしれなく、しかも最後までそれを明かさなかったところが演出として心憎いのだ。
それがまた何故「黄昏教団」が再三再四に渡って行方を完全にくらましていたかに思えた主人公達を正確無比に追撃できたのかが終盤になって明かされるにおいて実はジョーイが・・・なんていう疑惑が沸々と巻き起こる辺り、演出効果は抜群である。
そして物語はクーンツ特有のハッピー・エンドの情景を呈して終幕となるのだが、果たしてそれは本当にハッピー・エンドなのかという疑問が残るのも従来から逸脱してて○。
結構無視できない作品だぞ、これは。クーンツ、やるなぁ!!
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ&エンタテインメント(海外)
- 感想投稿日 : 2020年5月6日
- 読了日 : 2020年5月6日
- 本棚登録日 : 2020年5月6日
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