新しい主人公の作り方 ─アーキタイプとシンボルで生み出す脚本術
- フィルムアート社 (2013年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845913039
作品紹介・あらすじ
おとぎ話・神話と、心理学的アプローチによる創作のメソッド
主人公の魂の成長、自己実現の旅の軌跡をどう描くか。本書では、ユング心理学をはじめとした心理分析において、コンプレックスの仕組み、「影」がキャラクターに与える影響などを紹介します。中でも物語創作には欠かせない「女性性(ヒロイン)」というアーキタイプに着目することで、革新的なシナリオを生むための創作法を解き明かします。
また、ヴァージン、娼婦、母/女神、愛人/王、ファム・ファタール、暴君、老婆、魔女、守銭奴など多数のアーキタイプを提案。これらを比較しながら、それぞれが物語上で担う役割やテーマを考えることで、シンボリズムを有効に使うための原則を説いていきます。映画やテレビの脚本家はもちろん、魅力的な主人公を書きたい小説家やゲームシリオ作家、アニメーターにも役立つ一冊です。
■『作家の旅 ライターズ・ジャーニー』著者、クリストファー・ボグラーによる序文
■ヒット映画の豊富なストーリーテンプレート、創作に使えるワークシート付き
本書を読んで、男性の視点と異なる語り口と思考に驚いた。著者ハドソン氏はヒーローに対するヒロインといった呼び名をあっさりと捨て、「ヴァージン」というアーキタイプを提案している。(…)難しくなりがちなアーキタイプや心理学の理論について、これほどすっきり明確に書かれたガイドブックは他に例をみない。(…)本書はジョーゼフ・キャンベルや私の著作と並行して読めるように書かれている。
──クリストファー・ボグラー(序文より)
感想・レビュー・書評
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学生からのリクエスト
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主人公がだんだん強くなって悪い敵を倒す、ヒーロータイプの話とは異なり、「自分の求めるものがなにか、気づいていない」主人公が徐々に成長していき、周囲と新しい関係を築くタイプの話についての理論。
『ベッカムに恋して」「アバウト・ア・ボーイ」などなど、自分の好きなタイプの映画がたくさん紹介されており、もう一度観たくなった。
内容も、「セントラルクエスチョン」「ヴァージン、女神、老婆」などのアーキタイプの設定、プロットの流れなど、勉強になった。 -
ジョセフキャンベルのヒーローズジャーニー理論の応用・発展としてヴァージンズジャーニーを提唱している本。
ヒーローズジャーニーについても、本家や類書より
わかりやすく感じる。(シカ・マッケンジーの訳が上手いのだと思う。別の作品でもこの訳者の本は非常に読みやすかった。)
映画の脚本の構造の解体という点では、ボグラーの物語の法則や有名なsave the catの法則(著者名忘れ)と同種の本。
同じことが繰り返し述べられるので冗長に感じる点もあるが、ハリウッド系の本の中では読みやすい。
こういうシステムというか、ひな形をうまく使いこなせるようになるかどうかは結局本人の努力や才能、センスによるのだなあと思う。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784845913039 -
ヒーローに対するヴァージンとの考え、とても面白い。
ヒーロー:自己犠牲・肉体的自立・未知の世界へ肉体的な限界への挑戦・恐怖の克服の神話
ヴァージン:自己実現・精神的自立・調和と喜びを求める変化と成長・自分を探すおとぎばなし -
物語/脚本の有名な構造論であるヒーローズジャーニーを、女性的な主人公(ヴァージン)をもつ物語のために解釈、運用する方法を丁寧に解説してくれる。ヒーローズジャーニーについての理解を深められる本。
ヒーローズジャーニーそのものについての解説もあり。