「時間」にまつわる読み物を読んでいると、頻繁にでてくる「ベルクソン」。解説本や入門書ではなく、本人の新書の本が目に付いたので、手に取ってみた。
たいしたボリュームでもないのに、読み切るのに時間ががかかり、時間の本に時間をかけたが、中身はよう解らんという非常に残念な結果に。素人は哲学の本、とくにオリジナル書物なんかには手を出すものではないのを実感した。
訳者の労に因るところも多いのかもしれないが、文章も語彙も難しくない。それどころか「詩」のようにリズムを覚える心地よい文だった。ところが、深淵な文脈がが理解できないまま、さらさらと字面を流してしまうのが敗因。
あとがきで、この人の文章の「美しさ」に触れられているので、その審美性を感じただけで満足せざるを得ないかな。
《屈折した線よりも曲線の方が優美らしいのは、曲線はたえず方向を変えるが、しかも新しい方向はいつでもそれに先立つ方向のうちに示されているからである。》
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書 人文系
- 感想投稿日 : 2012年4月22日
- 読了日 : 2012年4月20日
- 本棚登録日 : 2012年4月10日
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