ソブールの後継者にあたる革命史研究者による心性史としての革命史研究。本書の中では度々F. フュレ=D. リシェによる革命解釈に対する疑問が提起されているが、だからといってマルクス主義的解釈に立ち戻ろうとするのではなく、革命によって生じたフランス人の「心性」の転換に照準を合わせるというスタイルが貫かれている。フランス国内の地域研究などをふんだんに利用しながら、民衆の暴動や死生観、結婚と離婚、さらには革命を拒絶した人々まで、横断的に革命期フランスの「心性」を解明しようとしている。とはいえ、フュレらが提起しベイカーなどが受け継いだような、フランス革命における「政治的なもの」により着目するべきだという提言に対する正当な批判をしているようには思われない。もっとも、内容の価値を損なうものでもないと思うが。
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- 感想投稿日 : 2015年10月26日
- 読了日 : 2015年10月26日
- 本棚登録日 : 2015年10月26日
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