ヴィルヘルム・テル (岩波文庫 赤 410-3)

  • 岩波書店 (1957年9月5日発売)
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シラーの遺作となった戯曲。スイスの「テルの林檎の的」伝説に題材を採り、それにスイスの「独立」運動を絡める形で筋が構成されている。この作品が上演された当時人気であったのは、「自由」の旗印を掲げたものであると同時に、反ハプスブルク的言説を随所に忍ばせているからであろう。その点で、劇中の「自由」とフランス革命の「自由」を同一のものと考えるわけにはいかない。実はこの「自由」は、「古き良き法」の下での「自由」(=既得権益の保障)でしかない。こういった点に、当時のドイツの思想状況を見る思いがする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸
感想投稿日 : 2012年2月25日
読了日 : 2012年2月25日
本棚登録日 : 2012年2月25日

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