歴史哲学講義〈下〉 (岩波文庫)

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本棚登録 : 303
レビュー : 17
制作 : G.W.F. Hegel  長谷川 宏 
モンタニャールおじさんさん 近代思想   読み終わった 

歴史における「理性」を明らかにしようとするヘーゲルの歴史哲学は、否定的に取り扱われた東洋世界を抜けて、西洋世界へと足を踏み入れていく。主観的自由の豊かな内実を展開したギリシャ、形式的原理として自由を確立したものの、「不幸な意識」にとどまるローマを承けて、キリスト教が登場してくる。キリスト教の原理がゲルマン的思想と結びつくことによって、近代西洋へと至る道が用意される。そしてヘーゲルは、「近代」の決定的徴表をルネサンス、宗教改革、そしてフランス革命に見出す。ここに至って弁神論、すなわち自由の原理の現実化の過程を把握する世界史の哲学は一応の幕を閉じる。ヘーゲルの「歴史哲学」は様々な批判に晒されてきたが、西洋近代が確立してきた原理を歴史的に弁証する試みとして、無視し得ないものであることは間違いない。批判に晒されてきたということが、逆にヘーゲルの思考の偉大さを物語ると言えるだろう。

レビュー投稿日
2013年1月4日
読了日
2013年1月4日
本棚登録日
2013年1月4日
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