ポストヒューマンの人間論: 後期ルーマン論集

  • 東京大学出版会 (2007年9月1日発売)
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第1章は講演論文であり、それ以降収録の諸論文は『社会学的啓蒙』第6巻に収録されているものである。論じている内容は、おおよそ「人間と社会」の関係はどうなっているのか、という問題を軸に理解できるように思われる。ルーマンによれば、その関係を記述されてきた様々なゼマンティク―人格や個人、主体、間主観性など―は、やはり人間と社会の関係を適切に記述しうるものではない。したがって、システム理論的に理解されたゼマンティクによって、適切な記述が可能になる。システム理論的理解とは、差異の指定からの出発であったり、システムのオートポイエーシスの承認であったり、セカンド・オーダーの観察といったタームで概括されるようなものである。それらによって、社会と人間のポリコンテクスチュアルな関係をより適切に記述しうる、抽象性を高められた概念が得られるだろうし、具体研究を理論的に整理された形で提示することができるだろう、というのが、ルーマンの見通しである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2013年3月30日
読了日 : 2013年3月30日
本棚登録日 : 2013年3月30日

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