革命史研究者による、フランス革命の事件や思想、革命の観察者を網羅的に取り扱う事典。「自由」や「平等」といったおなじみの言葉がいかなる意味で用いられたかという点から、革命期の国家構想が様々な点でルソーの構想とは異なっていたという点まで、幅広い内容が的確に要約されて詰め込まれている。さらに、「歴史家」部では、カントやフィヒテ、ヘーゲルといった外国のフランス革命の観察者から、トクヴィルやミシュレといった19世紀なかばに形成された問題意識から革命史研究に邁進した歴史家まで、多彩な人物が取り扱われている。近年の研究動向を踏まえつつ、さらなる個別的論点の導入部ともなるような、すぐれた事典であると言える。
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- 感想投稿日 : 2014年1月31日
- 読了日 : 2014年1月31日
- 本棚登録日 : 2014年1月31日
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