ルネサンス期から二月革命前夜の時期を扱う通史。近年の研究成果を取り入れつつ、政治、経済、文化などの諸領域について基本的な知見を与えてくれる。とりわけ、絶対主義国家を多様な「社団」の鎖をフランス国王が統制する「社団国家」と見なしたうえで、それがフランス革命期に、とりわけ「政治文化」のレベルで廃絶されるという統一的な視点が打ち出されている。もちろん各章とも基本的な情報を統一的な観点のもとで整理しているために、個別分野についてもっと詳細に知りたいという人にとっては、本文だけではなく巻末の参考文献一覧も参考にしなければならないだろう。ここでも、当該分野の踏まえなければならない研究がどういったものであるのかがよく分かる仕掛けになっている。そういう意味で、非常に優れた概説書だと思われる。
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- 感想投稿日 : 2015年8月7日
- 読了日 : 2015年8月7日
- 本棚登録日 : 2015年8月7日
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