風が強く吹いている

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本棚登録 : 5595
レビュー : 1330
著者 :
theamariesさん  未設定  読み終わった 

図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたい一冊となった。

他の方の書評を読んだ(Amazonなど)が、辛口の評価も少なくない。その大半が「リアリティのなさ」であった。

確かに寄せ集めの集団、しかも多くは素人。
で予選会を通過し、最終的には信じられないような結果を残すのだが、そんなに箱根は甘くない、作者は箱根駅伝をなめている、愚弄すらしている。
そんな強烈な批判を述べる方もいる。

それもまた一理。

確かに“カンタン”に本選出場を決めたような印象があるし、五区の選手なんか、本当にそんな状況だったら走れるわけがない、といった「突っ込みどころ」はままある。

しかし、だからといって、箱根を軽視しているか、愚弄しているかというと、答えは「NO」である。
そんなに安易に本選出場できるほど、箱根は甘くないと思うからだ。これを読んで、「なんだ、箱根って案外楽に出れるんじゃん。」などと思う人はいないと思う。10人の走る様を読めば読むほど、自分の全てを賭けて挑戦する価値のある、尊いものだ、と思えてくる。

この作品はドキュメンタリーではない。箱根駅伝という素材を通して、一つのことに賭けることの意味や値打ち、走ることの意味、仲間との連帯感などといった、青年期だからこそ味わえる感動や瑞々しさを表現する作品なのだと思う。

僕はむしろ、本物の箱根駅伝でテレビに映らない下位の大学の走りやその裏にあるドラマにもっと触れたくなった。来年の箱根駅伝を早く見たいと思った。そして、走ることの喜びをあまり感じないまま終わった僕の高校時代に戻りたいと思った。

レビュー投稿日
2019年2月6日
読了日
2019年2月6日
本棚登録日
2019年1月27日
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