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短篇ベストコレクション: 現代の小説2017 (徳間文庫 に 15-17)
- 日本文藝家協会
- 徳間書店 / 2017年6月2日発売
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木下古栗と柴田勝家が良かった。
2019年3月21日
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ミミズクと夜の王 (電撃文庫)
- 紅玉いづき
- KADOKAWA / 2007年2月8日発売
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有川浩も解説で書いているように、「奇をてらわない」「まっすぐ」な小説なのだけど、その美しさが印象に残る。
2016年4月1日
こういう首輪があったら、それにともなって、新しい技術が生み出されたり、人間の側が変わったりしないもんかな。自身の首輪のランプの色を確認できる装置とか、ランプの色を偽装できるカバーとか、あるいは誰しも喋らなくなる、嘘というものが忌避され本音をしゃべるものとして社会がアジャストされるとか。
2016年2月28日
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狂乱西葛西日記20世紀remix
- 大森望
- 本の雑誌社 / 2009年9月9日発売
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著者の日本SF作家クラブ入会をめぐるゴタゴタや山形浩生の例のPDFを鑑みても、資料的価値も高い。そして単純に面白い。
2016年2月14日
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屍者の帝国 (河出文庫 え 7-1)
- 伊藤計劃
- 河出書房新社 / 2014年11月6日発売
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円城塔の悪ふざけが非常に良い。
2015年10月17日
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匣の中の失楽 (講談社ノベルス)
- 竹本健治
- 講談社 / 1991年10月30日発売
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シュレーディンガーの猫的。
2011年10月29日
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新自由主義: その歴史的展開と現在
- デヴィッド・ハーヴェイ
- 作品社 / 2007年2月15日発売
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新自由主義に批判的な立場から、現在の政治情勢を問う著。
一見するとマルクシズム的陰謀論に見えるが、その中で、新自由主義の重要な側面を指摘している。すなわち、新自由主義は階層上位、企業経営者(本書では支配階級とされている)が自らの利益を回復・増大させるための格好の理論づけとなっているという点である。
この指摘が非常に興味深い一方、現在の新自由主義的な政治展開が問題である、と指摘するための論拠が、格差が拡大している・貧困層が増加していると言うものであり、それ自体には頷けるものの、「新自由主義的政治展開」と「格差の拡大・貧困層の増加」のつながりの説明がほとんどなかったのが残念。
2010年8月5日
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密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス)
- 歌野晶午
- 講談社 / 2009年8月7日発売
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『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編で、本格ミステリベスト10 2010第一位、本格ミステリ大賞受賞作。
本格ミステリの伝統と言える推理合戦をネット社会=現代において再現する腕はさすが。筆者の前書きに書いてあるように、読者の予想から意図的にずらしているのも良い。ただ、結末が読めてしまい、それだけやや残念。
2010年8月1日
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社会をつくる自由: 反コミュニティのデモクラシー (ちくま新書 773)
- 竹井隆人
- 筑摩書房 / 2009年3月1日発売
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確かにゲーテッド・コミュニティ批判の検討は必要だし、コミュニティ万能論は批判されるべきであり、その点は納得。ただ、「コミュニティ」=「仲良し」の断定など、同意できない所も多かった。
2010年7月14日
確かにスピーディーですらすらと読めるが、結末が凡庸な結末として予想できる範囲に落ち着いていて、予想を裏切るものでない。
2010年7月9日
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競争と公平感: 市場経済の本当のメリット (中公新書 2045)
- 大竹文雄
- 中央公論新社 / 2010年3月1日発売
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理念と現実のズレについてあまり述べてくれなかった印象。
2010年7月7日
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寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))
- 内田樹
- 文藝春秋 / 2002年6月20日発売
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構造主義の話というよりも構造主義の研究者についての話で、個人的には橋爪大三郎『はじめての構造主義』よりも好きだった。ただ、構造主義とは何かを定義的に知りたい人には向かないかもしれない。
2010年7月5日
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労働――働くことの自由と制度 (自由への問い 第6巻) (自由への問い 6)
- 佐藤俊樹
- 岩波書店 / 2010年4月28日発売
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佐藤俊樹氏編集『自由への問い⑥労働』読了。佐藤氏によるハイパーメリトクラシー批判はおいといて(といっても結局関連してくるけど)、貴戸さんの論考が特に面白かった。「社会性」って何なんだろう。
2010年7月2日
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愚行録 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ぬ 1-3)
- 貫井徳郎
- 東京創元社 / 2009年4月5日発売
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田向夫婦を鏡として、人々の醜い姿を描き出したのは上手いと思う。
ただ、伝聞調で物語を進めるための都合のいいしゃべり方や学歴「格差」にこだわりすぎている点などが気になって、あまり面白いとはいえなかった。
2010年6月22日
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希望格差社会: 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫 や 32-1)
- 山田昌弘
- 筑摩書房 / 2007年3月1日発売
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誰もが感じていた雰囲気的なものを、具体的に定義してネーミングしたのは素晴らしい。結論が大学生のレポートみたいになってしまってるのは、そんな「当然の」ことを政治が行えていないからか。というか、山田先生は「コミュニケーション能力」肯定派なのか?
2010年6月3日
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社会学入門 〈多元化する時代〉をどう捉えるか (NHKブックス)
- 稲葉振一郎
- NHK出版 / 2009年6月26日発売
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社会学のアイデンティティ探求は非常に難しい問題だ。
2010年5月26日
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プールの底に眠る (講談社ノベルス)
- 白河三兎
- 講談社 / 2009年12月8日発売
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第42回メフィスト賞受賞作。
詰め込み形で、後半の展開が多少ベタで強引な気もするが、
会話のセンスは悪くないし、「書きたいもの」が伝わってくる。
そして何より、小説の雰囲気と装丁が上手くフィットしていて良い。
2010年5月23日
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日蝕 (新潮文庫 ひ 18-1)
- 平野啓一郎
- 新潮社 / 2002年1月1日発売
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この小説が世に問われたとき、平野氏は「三島由紀夫の再来」だと謳われたらしい。確かに、文体あるいは物語に対する美意識などは通ずるものがあるだろう。しかし、解説で四方田氏が主張しているように、この小説は三島の単なる模倣ではなく、文学の反復である。文学とは反復とずらしによって生み出されていくものではないか、この小説を読んでそう考えた。
2010年5月22日
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ゴーストバスターズ 冒険小説 (講談社文芸文庫)
- 高橋源一郎
- 講談社 / 2010年4月9日発売
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高橋源一郎氏の初期の作品(といっても、僕が読んだのはその一部でしかないが)を読むと何だかセンチメンタルな気分になるのは、虚構(空想?想像?)を捕まえられそうで捕まえられない感じがするからだろうか。
2010年5月9日
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社会とは何か: システムからプロセスへ (中公新書 2037)
- 竹沢尚一郎
- 中央公論新社 / 2010年1月1日発売
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「『社会』とは何か」というテーマのもとに、「社会」思想の歴史を概観し、かつ移民政策と水俣病を実際のケースとしてみることで、「社会」と「国家」、「コミュニティ」について考察した著。
全体的にやや散漫観が拭えず、前半分と後ろ半分のつながりが今ひとつな気がする。新書にまとめられる内容ではなかったか。
2010年5月5日
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赤の女王の名の下に THANATOS (講談社ノベルス)
- 汀こるもの
- 講談社 / 2009年11月6日発売
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THANATOSシリーズ第5作。
今回はミステリ部分はそれほど(重要)でもない。
物語の展開が面白すぎる。
前4作よりもさらにサブカルネタ寄りな会話によって、これまでちょっと面白いけど嫌なやつだと(少なくとも私には)思われていた湊俊介が、ちょっと嫌なやつだけど凄く面白いやつに変貌を遂げた。部下である高槻に気を遣って仲良くなろうとするし、女性関係が明らかになってくるし。
相変わらずの作者独特のミステリ倫理が冴え渡る佳作。
2010年5月5日
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フィッシュストーリー (新潮文庫)
- 伊坂幸太郎
- 新潮社 / 2009年11月28日発売
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2010年5月再読。「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の4編からなる短編集だが、書いた時期がそれぞれ異なるらしく、趣きもやや異なっている。
「動物園のエンジン」
河原崎さんのこじつけセンスに愕然(笑)
やや技巧を凝らしてあるものの、そこではなく、ベタになりそうでややずらした結末を用意してあるところが好印象。
「サクリファイス」
やや他の3編と趣きが異なり、『魔王』や『ゴールデンスランバー』などに連なる印象。黒澤さん大活躍。
「フィッシュストーリー」
映画にもなった好短篇。
映画はこの話に他の話(『終末のフール』だっけ)もまぜながら膨らましているため、映画と小説でやや異なるが、どちらも微笑ましいエピソードとクサさと「僕の孤独が魚だったら」というフレーズで心地よいものになっている。
「ポテチ」
頼りないけどどこか憎めず、そして正義感の強い男、今村とハキハキした大西を中心とした会話のテンポが良く、読んでいて楽しい。このオチはベタだけど好きだ。
2010年5月5日
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世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書 434)
- 菅原琢
- 光文社 / 2009年12月16日発売
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小泉さんが辞めた後の総選挙で自民党が大敗したのは、農村の自民党支持基盤を破壊したから?あれほど人気があった麻生さんが総選挙で大敗したのは何故?
このような疑問、勘違いに統計データに基づいて答えてくれる著。
著者が指摘するように、政治に関しては無根拠で自分勝手な意見がまかり通っている。上に挙げた「小泉が破壊したせい」「麻生さんは国民的人気があった」はその一例。
私達国民は一部の識者やマスコミによってそう思わされてきたが、実は全くそうではない、というのが本書の主張。
データに基づいているため、感銘で分かりやすく、誤解を否定してくれる。
ただ、途中からデータが少し怪しくなってきている。
このことと、あくまで政治家は世論に忠実であれば良いという意識を植え付けてしまわないかということがちょっと問題。(もちろんそれでいいという意見もあるだろうが)
2010年5月5日
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虐殺器官 (ハヤカワ文庫 JA イ 7-1)
- 伊藤計劃
- 早川書房 / 2010年2月10日発売
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繊細な文章によって綴られる近未来の物語が、現在の世界の問題について問いかけている。
2010年4月12日