複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

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本棚登録 : 378
レビュー : 26
thomas-matsuokaさん  未設定  未設定

システム全体の文脈によって、構成要素の機能やルールが変化
する仕組みのことを「複雑系」というそうです。
構成要素の機能が変化すると全体の文脈も変化し、それによって
構成要素の機能も変わるというループをもつのが特徴。なので、
個々の要素が相互作用しているので、分解して構成要素を理解
しようとしても全体像がつかめない。こうしたダイナミックな
特徴は、生命の仕組み、自然界や社会活動においても、たくさん
見られますね。ずいぶん前に紹介した「動的平行」という概念も、
この領域の考え方に近いと思います。

秩序とカオスの間を、「カオスの縁」という表現で複雑系科学
ではとらえています。じつはこうした「カオスの縁」が、各構成
要素の機能変化をもたらし、個々の関係性に影響をあたえ、
システム全体が新しい秩序を形成する。この状態を「創発」という
のだそうです。

 対話を通じて新しいアイディアを思い付く、
 喧嘩を乗り越えて深い人間関係が築かれる、
 新しいルールや考え方を導入し組織の生産性が上がる、

「創発」による成長を有むには、「カオスの縁」となるような
刺激が必要なのですね。

この本は、基本的な考え方から、人工生命、進化と遺伝、経済学
への応用まで、ざまざまな領域での「複雑系」科学の取り組みが
紹介されています。理学部数学科の学生にとっては入門かもしれま
せんが、素人の私には難しい。でも、なんとなく新しい知的領域
に触れただけで、私にとっては充分「カオスの縁」体験なのであり
ました。

レビュー投稿日
2012年7月21日
本棚登録日
2012年1月6日
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